台風や地震など非常時は、停電や暗がり・濡れた床・慌てた行動が重なり、転倒・転落のリスクが高まります。
平時のうちに手すり・段差・浴室の3か所を見直しておくと、日常の安全だけでなく災害時のけが予防にもつながります。
本記事は、住まいの改善ポイントをやさしく整理したものです(数値は公的資料の一般的目安)。
要点(先に3つ)
- 手すりは「つかむ位置が連続」していることが最重要。高さの目安は750〜800mm、端部は袖口を引っ掛けない形状に。
- 段差は2cm以下を目標に解消。難しい場合はスロープ化・見切り材で角を丸め、段差エッジに視認性テープを貼る。
- 浴室は「濡れる・滑る・温度差」の3点対策。滑り止めマット+出入口と浴槽まわりの手すり+脱衣室の断熱・暖房が基本。
手すりの見直し(玄関・廊下・トイレ・浴室)
- 高さの目安:床から750〜800mm(個人差あり)。階段は750〜850mmを目安に連続して設置。
- 連続性:階段の上下端で30cm程度延長し、手を離さずに姿勢を整えられるように。
- 握りやすさ:直径32〜36mm程度の円形が一般的。壁下地に確実に固定し、ぐらつきゼロを確認。
- トイレ:立ち座り側にL型(水平+縦)で設置。便座からの立ち上がりを試して位置を微調整。
- 浴室:出入口脇(縦)/洗い場(水平)/浴槽出入り(縦+水平)の複合配置が有効。
段差と床の安全(つまずき・滑りの予防)
- 段差解消:出入口の敷居・見切りを見直し、2cm以下を目標にスロープ化。角は面取りして引っ掛かりを減らす。
- 視認性:色の境目にコントラストテープを貼る。夜間は足元灯を廊下・トイレ前に。
- 床材:濡れやすい場所(玄関土間・洗面)は滑りにくいマット+四隅をテープ固定。ラグ端のめくれ止めも必須。
- 配線整理:延長コードは配線モールで固定し、動線から外す。
浴室・脱衣室の転倒予防(温度差・滑り・姿勢)
- 出入口:段差は可能な限り解消。外開き(または引き戸)が理想。内開きは救助時に支障となるため注意。
- 洗い場:滑り止めマットを面で敷き、シャンプーボトルは床に置かない(ラック使用)。
- 浴槽出入り:浴槽縁の内外に縦手すり+洗い場に水平手すり。浴槽台・浴槽内すべり止めも検討。
- 姿勢保持:浴室用イス(座面38〜42cm)で座位洗い。立ち座り時に手すりへ体重を預けられる配置に。
- 温度差:脱衣室・浴室を事前に暖める/冷やす。冬はヒートショック予防として入室前に暖房、夏は換気+送風で蒸し暑さを軽減。
非常時(停電・断水)を想定したひと工夫
- 明かり:電池式LEDライトを玄関・寝室・脱衣室に常備し、定位置を家族で共有。
- 濡れ対策:停電時は浴室・廊下が暗くなる。防水すべり止めマットと吸水マットをセットで用意。
- 救助動線:玄関〜居室〜浴室の通路幅(目安80cm前後)を確保し、物を置かない。
今日から使えるチェックリスト
- 手すりは連続して握れる配置か(高さ750〜800mm目安/がたつきなし)。
- 出入口の段差は2cm以下か。難しい箇所はスロープ・面取り・コントラストテープで補った。
- 浴室の出入口・洗い場・浴槽まわりに手すりがある。滑り止めマットを敷いた。
- 廊下・トイレ前に足元灯を設置し、夜間も通路が見える。
- 非常時のLEDライトの定位置と予備電池を家族で共有した。
参考情報・リンク/免責事項
【設計・改修の目安】
・国土交通省「高齢者が居住する住宅の設計に係る指針」
・国土交通省「住宅のバリアフリー改修・改善のポイント」
【家庭内の事故予防】
・東京消防庁「STOP!住宅火災(住宅用火災警報器等)」
・内閣府防災「家具固定と住まいの安全」
免責事項:本稿の数値は一般的目安です。体格・持病・住まいの構造により最適位置は異なります。工事を伴う場合は専門業者と建物管理規程を確認し、機器の取り付けは確実な下地固定で行ってください。自治体の助成や個別の工法は地域により異なるため、必要に応じて最新情報をご確認ください。
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シルバーマンション高崎
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