新年は生活を整える好機です。
転倒は通路の物置き・段差・すべり・暗さ・無理な姿勢から起こりがちです。
本記事は、片づけの優先順位と動線の見直しで「つまずく理由」を先に消す実務ガイドです。
数値の目安を示しつつ、住戸や体力差により調整が必要な箇所は、管理規程や取扱説明書を優先してください。
要点
- 通路は“幅60~75cm以上”を死守(片手に荷物でもすれ違える幅)。物は床に置かない=棚か壁に移す。
- 段差・敷物の端をなくす/固定する:つまずきやすい2cm前後の段差・カーペット端は最優先で対処。
- 暗い箇所に足元灯:ベッド脇→トイレ→洗面・台所の“夜間動線”に連続する明かりを置く。
片づけの優先順位(“床から上へ”の順で)
- 床の退避:新聞・段ボール・コード・洗濯カゴを床から退ける。床に物を戻さないため、壁面フック・細棚を仮設。
- 通路の確保:玄関→廊下→寝室→トイレ→洗面→台所の順で60~75cmを確保。片付けは動線の手前から奥へ。
- 高さの整理:座面~肩の高さ(70~140cm)に“よく使う物”を集約。踏み台が必要な保管は避ける。
動線の見直し(新年に変える“通り道”)
- 夜のトイレ動線:ベッドの反対側に家具を置かない/足元灯をベッド脇と廊下に。ドア前にマットを置かない。
- 玄関~居室:敷台・段差はスロープや段差見切りで2cm未満に。濡れた時に滑るマットは撤去。
- 台所~食卓:キッチンマットの角を両面テープや滑り止めシートで固定。ゴミ箱は通路外へ。
段差・床・敷物の安全化(最優先の“つまずき”対策)
- 段差2cm以下を目安:敷居や見切りは段差解消スロープで連続面に。
- カーペット端を固定:めくれ・波打ちを両面テープ+端材で押さえ。厚手の敷物を重ねない。
- 浴室・脱衣所:吸盤タイプのすべり止めマットで床面摩擦を上げる。水跳ねの多い位置に置き場を作り、床置きの洗剤ボトルを撤去。
照明・手すり・家具配置(“見えない・届かない・傾く”を消す)
- 連続する明かり:足元灯・人感センサーを“ベッド→廊下→トイレ”に直線配置。電池切れの交換ルールを決める。
- 手すりの高さ:目安75~85cmでL型(トイレ)・I型(廊下)を検討。
- 家具の転倒・出っ張り:L字金具・突っ張りで固定。家具の角はコーナーガードで保護。通路側に引き出しを向けない。
コード・家電・靴(よくある“小さな落とし穴”)
- 電源コード:通路横へ配線し、配線カバーで段差化を防ぐ。延長コードは束ねず、必要長のみ。
- 掃除の習慣:床に落ちた小物(滑るチラシ・袋)を毎日1回チェック。ゴミ箱を通路外に固定。
- 靴・スリッパ:脱げにくい踵付き・滑りにくい底のものに。玄関の靴は1人2足までに絞る。
今日から使えるチェックリスト
- □ 玄関~トイレ~寝室の通路幅を60~75cm以上に確保した(床に物を置かない)。
- □ 段差を2cm以下に調整し、カーペット端を固定した(重ね敷きはやめた)。
- □ 夜間動線に足元灯を連続配置し、交換時期をメモした。
- □ よく使う物を座面~肩の高さへ移し、踏み台が要らない配置にした。
- □ 電源コードを通路外+配線カバーに変更し、ゴミ箱を通路から外した。
参考情報・リンク/免責事項
【高齢者の転倒予防の考え方】
・厚生労働省「そのカギを握るのはフレイル予防だ」
・厚生労働省「介護サービス情報公表システム」
【住まいの安全対策・室内事故】
・消費者庁「事故情報の集約等(事故情報の一元化)」
・総務省消防庁「救急事故防止(リーフレット)」
免責事項:本記事は一般的な目安を示すもので、工事の可否・手すり位置・家具固定方法などは建物の構造や管理規程、製品仕様により異なります。本記事では個別条件を確認できていません。安全第一で無理をせず、必要に応じて管理会社・専門事業者へご相談ください。
投稿者プロフィール
-
シルバーマンション高崎
-
群馬県高崎市の高齢者向け賃貸住宅「シルバーマンション高崎」
快適なセカンドライフを送れるよう充実したサービスをご提供いたします。